ボトックス注射で多汗症をブロック治療する効果
多汗症治療のためのボトックスは効果的な治療方法です。ボトックスはお勧めの治療方法になりますが、ただにボトックス注射は、治療効果が大体6ヶ月〜1年で薄れてしまうといい、この点が課題になっています。効果が薄れると、ボトックス注射をする以前の症状(多汗症)に戻ってしまうといいます。ですので、この効果改善のために、ボトックスを定期的に注射をする必要がでてきます。ボトックスの効果を維持するためには、継続的な多汗症治療が必要というのが現実です。
定期的に注射を行う時期は、人によって違いがありますが、半年サイクルと一般的にはいわれています。多汗症対策のためにボトックスを製造しているメーカーのアラガン社では、ボトックスの効果が完全になくなってから再注射するのでなく、効果が薄れる少し前から再び注射をすることを勧めています。半年サイクルで再注射を続けるならば、数年で汗腺が萎縮するといいます。ただし個人差もあるといいます。
ボトックスの注射は、極細針を使い、皮下に注入します。注射による拡散範囲は1〜2センチになります。実際の治療では、60〜50箇所を、1〜2センチの注射間隔でボトックス注射します。注射の痛みは、治療者の技量や治療を受ける側の感じ方によって、これも個人差があります。激痛を感じる人もいれば、軽い痛みしか感じなかった人もいます。トックス注射にによる治療効果、治療の痛みなどは個人差がでてきます。
しかしボトックスで多汗症をブロックするのは有効的な方法で、効果も高く、代償性発汗もみられません。汗腺部を削除しないで治療できる上、効果の時間も比較的長いといったメリットがあります。ただし保険が効かないため、ボトックスの治療費が高価になり、なおかつ継続的な治療も必要であるため、ランニングコストも高くついてしまう点がネックになります。クリニックによって若干の違いがありますが、一回の多汗症治療費は、おおよそ15万円くらいの費用になります。
ボトックスの多汗症治療と副作用
多汗症治療をボトックスで行う場合、注意すべきことがあります。それはボトックス治療後の3〜4ヶ月以内に抗菌剤パーキンソン病治療薬や、筋肉を弛緩させる精神安定剤を服用しないということです。万一服用した場合、副作用の危険性がでてきます。心配な方はボトックス注射を受ける前に、よく確認しておく必要があります。
また治療の後に、該当の薬を服用する可能性がないかどうかも調べておいた方がいいでしょう。それから妊娠して胎児がいる妊婦さんの場合、ボトックス治療の副作用があるかどうかの安全性は、まだはっきりしていません。けれども違和感や副作用を感じたなら、受診したクリニックに行き、速やかに診療してもらいましょう。
ボトックスで多汗症治療をした後、注射部分を圧迫したり、こすったりしてはいけません。なぜならばトラブルや副作用の原因になるからです。ボトックスによる多汗症治療では、液状のボトックスを皮下に注射します。治療後に患部を圧迫すると、ボトックス薬液が皮下で分散し、筋肉以外まで広がり、副作用を引き起こす場合があります。
多汗症を抑制するための汗腺部と、運動系の筋肉とでは、ボトックスの作用に違いがあります。ボトックスが拡散して起きる副作用は、ボトックス液が運動系の筋肉まで拡散し、その結果、筋肉の働きがおかしくなることで引き起こされます。ただし注射をした後に圧迫したりこすったりしなければ、筋肉の動きが悪くなることはありません。皮下のボトックス液が拡散しなければ、副作用の心配はありません。基本的にボトックスは安全性の高い治療です。
ところでボトックスは高価な治療薬なので、クリニックや美容整形の中には、残った薬を使いまわすところもあるようです。病院全般の治療におけるトラブルが最近は多くもなっていますので、治療の前にはしっかりと調べるとか、確認をすることをおすすめします。
多汗症とワキガ治療・ボトックス注射との関係〜エクリン汗腺・アポクリン汗腺
多汗症の原因に交感神経の働きが関係しています。交感神経のはたらきがおかしくなると、多量の汗をかくようになります。多汗部は、特に脇や手のひら、頭などに出ます。ボトックスによる多汗症治療では、手のひら、脇の下に施術されるケースがもっとも多い傾向です。
ボトックスは、多汗症の治療は使用されますが、ワキガ治療とは異なります。ワキガの症状は、もちろん汗を多くかくこともありますが、汗そのものに特有のニオイがあるのが特徴的です。ボトックス治療の対象となる多汗症は、多量の汗をかきますが、ワキガ特有の臭いはありません。ですので、ワキガと多汗症は別の症状になります。症状が違いますので、治療も異なってきます。
ワキガは、食生活も影響しているといいます。昔とは違ってきて和食のみならず、食事が欧米化されてきています。肉食も多くなり、また過食傾向もありますので、体臭に出やすくなっています。日本人は、元来、体臭が少なく、また清潔を好む民族傾向がありますので、ニオイに海過剰に反応したり、神経質になる人が多い傾向です。
ですから多汗症の人であっても、本当はニオイが無いにもかかわらず、多汗症だからということで、体臭を気にするようになってしまい、人との接触を避けるとかの二次的病状を引き起こす心配もあります。ですので、多汗症で気になる場合は、専門医にかかって相談するのがベストになります。またワキガと多汗症は違いますので、その点は重々理解される必要があります。
多汗症の場合では、ボトックス治療のほかに、汗腺除去法、交感神経切除手術があります。汗腺除去法、交感神経切除手術は、根本的に多汗症を治療するための手術で、汗の出る部位を切開してエクリン汗腺を除去する手術になりますす。切開法、ボトックスのどちらの治療も多汗症には有効です。切開手術に抵抗感をいだく方や、多汗症が軽い症状の方は、ボトックス治療がいいかもしれません。
多汗症は、エクリン汗腺からの発汗が多くなっていることが原因となっているため、多汗(エクリン汗腺)を抑えるために、ボトックス注射をします。もともと、体内の熱を発散させるためにエクリン汗腺は発汗作用としてはたらきますが、エクリン汗腺から出る汗のはほとんどは水分になります。
ちなみに汗を出す部位には、アポクリン汗腺があります。アポクリン汗腺は、エクリン汗腺と違って、毛穴とつながっています。そして体内のアンモニア、脂肪、鉄分、老廃物を体外に排出するはたらきをします。アポクリン汗腺から出る汗にはニオイがあるため、これがワキガの原因となっています。ボトックス治療では、エクリン汗腺を対象にし、アポクリン汗腺には作用しませんので、ボトックスではワキガを治療することはできません。
ボトックスの効果〜A型ボツリヌス菌
多汗症で使用される治療薬のボトックスは、アメリカに本社のあるアラガン社が製造販売している薬剤です。ボトックスは米国食品医薬品局(FDA)に承認されたている医薬品です。元来ボトックスは、斜視や眼瞼痙攣を治療するための薬でした。現在は多汗症治療の薬剤として使用されています。
ところでボトックス効果のキモとなっている有効成分は「A型ボツリヌス菌」です。A型ボツリヌス菌と聞くと、猛毒のボツリヌス菌を思い起こす方もいらっしゃると思いますが、実際、そのとおりです。ボツリヌス菌は猛毒です。けれども、微量の毒素はときに有効に作用することが多く、ボトックスでもA型ボツリヌス菌を微量に使用して治療効果を出しています。しかも血液中には注入しません。皮下に注入しますので、安全安心です。
多汗症は、神経伝達物質アセチルコリンが、エクリン汗腺に汗を出す命令を発し、このときに多量に発汗してしまう症状です。ボトックスは、発汗指示伝達物質のアセチルコリンのはたらきを弱めて、発汗作用を抑えます。もう少し詳しくいえば、一時的に筋肉の力をボトックスがブロックします。筋肉と神経がつながっている部分に作用し(神経伝達物質アセチルコリンのはたらきを抑える)、筋肉の収縮を弱めることで発汗作用も弱めます。
ボトックスは、多汗症治療だけでなく、しわ取りの治療薬としても使用されています。先にの述べました通り、もともと斜視や眼瞼痙攣といった目の部位に使用していました。
ところで、イプセン社がの開発した「ディスポート」という治療薬があります。これはボトックスと同じA型ボツリヌス毒素製剤になりますが、ディスポートはボトックスより安価な値段なため、治療費も安く抑えられます。治療費のコストパフォーマンスが期待はできますが、ディスポートは、アラガン社のボトックスの5倍を注入する必要があり(そうしなければ効果が現れない)、ここがネックとなっています。
またボトックスの代替品として、同じ、A型ボツリヌス毒素製剤系で中国製のBTXAというのがあります。BTXAは、ディスポートよりも安く、非常に安価ですが、アメリカでも日本でもほとんど使用の実績がありません。
ボトックス注射による多汗症治療では、ボトックスをエクリン汗腺のある皮下に注射します。治療時間は短く5〜10分で終わります。多汗症のカウンセリングを受けた直後に手術も可能であり手軽で簡単な治療方法になります。基本的にアレルギーなどの副作用の心配もありません。手術をした当時から普段の生活が可能です。ボトックスは手術後すぐに効果は出ませんが1週間位立ってから効果が出始めます。ただし継続治療が必要なこともあって治療費用が高額になる点がネックとなっています。